弊社インターン生、上野による社長室岡インタビュー記事も今回ラストです。
中編 :巨額を動かせるトレーダーの内定を捨て商社マンの道を選ぶきっかけとなった、「無限円」とは?
後編 :120人にOB訪問、熾烈なバトルが始まる個人面接・・・!まだまだ続く、室岡の奇想天外就活エピソード←今回はこちら
『後編:120人にOB訪問、熾烈なバトルが始まる個人面接・・・!まだまだ続く、室岡の奇想天外就活エピソード』
「無限円」という、幸せを生み出すものを発見して、商社マンの道へ進むことを決意した室岡。そんな彼の就活中のエピソードは、やっぱり人並みを大きく外れていました。
ぶっとびエピソード、その1――「常軌を逸するほどの数にも及ぶ、OB訪問」
多くの就活生が行う、OB訪問。普通なら、訪問する人数は5・6名ほどでしょう。
しかし室岡は、就活中の1月から3月の間で、のべ120名もの先輩方に話を聞きに行っています。割ってみると、毎日1名以上の方にOB訪問をしていたという計算になります。当時から「肌感」を大事にしていた室岡は、情報を見るよりも、とにかく多くの方に話を伺って、対面で相手が仕事にかける熱量や、その仕事の魅力を感じ取っていきました。
ぶっとびエピソード、その2――「討論が繰り広げられる、面接」
「なぜ、あなたはそこにいるんですか?」――それが、室岡が一次面接の面接官に向かって投げた言葉でした。
面接の最初に、自己紹介をと促されますが、室岡は「エントリーシートに書いてあるので、それを読んで下さい。」と答えます。
言っていることは確かに正しいですが、一般的に求められている対応を考えると、企業側からすると「?!」とも思わせてしまうような、この発言。ただ、当時の室岡は無闇に言っているのではなく、彼なりに、しっかりとした理由があります。その直後のやり取りが、こちら。
室岡「今日、(面接時間)15分しかないのに、御社の社員の方にOB訪問に来てるんですよ!自己紹介してる暇なんか無いんです!」
面接官「OB訪問じゃなくて、これ面接だから。」
そう、室岡にとっては面接も、その企業で働く方と直接話すことができる、大切なOB訪問の時間だったのです。
室岡は、つづけてこう言いました。
「多分、あなたにとっては、私が受かろうが受からまいがどうでもいいでしょう。でも私にとっては、御社に受かるか受からないかが人生を左右することであって、申し訳ありませんが、あなたからの質問ではなく、私の質問に答えて頂きたいんです。」
ふつう、学生が面接で言うようなことではないでしょう。しかし、言っていることはあながち間違いではありません。室岡が自分の人生にも、仕事に対しても、全力で向き合いたいと思うゆえの発言でした。(実際この後に、その企業が抱えている課題も面接の中でヒアリングしています。)
ちなみに、冒頭の「なぜ、あなたはそこにいるんですか?」という質問は、面接官からの問いが表面的で、「この企業を代表してこの場に出てきていて、企業の未来を背負っていくかもしれなくて、志望者たちはこの人を通してこの企業を見るのに、これじゃ話にならない」と思ったから。
こんな率直すぎる発言を次から次にぶつけていきましたが、いつの間にか「面接官」対「志望者」の「面接」が、「人」対「人」の「会話」になり、面接時間15分を大幅にオーバーし、気付けば35分が経過していました。
室岡の熱意を受け入れていただけたのか、二次面接のステージへと上がることになります。そして、この試験をすべて乗り越えて入社したのが、――三井物産でした。
同じ色のスーツに身を包み、明るかった髪を真っ黒に染め、皆が「就活生」になるべく自ら金太郎飴になって切り落とされていく中、自分の信念を決して曲げることなく、「室岡拓也」というオリジナルの人間で在り続けた室岡。
彼の生き方そのものが、試行錯誤しながらも一歩ずつ歩みを進めてゆく就活生に対しての疑問であり、肯定であり、希望であると言えるかもしれません。